百円玉
あおば


ミジンコの仲間みたいな奴らに殺されたとうなり声を上げて独楽が回る
独楽が回るから戦争に負けたとただこねる奴らに爆弾を投げつける
戦闘機を差し向ける
殴りかかる
水攻めにする
日干しにする
原爆を落とす
水爆を落とす
水浸しにする
百円玉がないから
日干しになったトノサマガエルを踏みつぶしてから
蝦蟇の油売りの口上を最初から繰り返す
原爆逃げた
水爆投げた
火のないところに火を付けた
日の当たらない坂道で転んだ
百円玉が転がって勢いを付けて
隣の町を占拠した
十円玉泥棒を
絞首刑にする
百円玉の亭主
女房に浮気されて
切れて
どぶの底に落ちて
ウスバカゲロウにバカにされて
永久に浮かび上がれないと諦めている
バカ野郎の百円玉を貯め込んで
銀本位制の優位性を蕩々と述べる洪水野郎の昼寝に付き合う
火の暮れから元気の出る幽霊横町の鬼火でインスタントを茹でる


未詩・独白 百円玉 Copyright あおば 2006-07-22 01:24:40
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