溺れていく夏の
あおば


夏が眩しい

溺れ谷に潜む
怪人二十面相
小林少年
少年探偵団
明智小五郎
それらを束ねる
江戸川乱歩
奇々怪々という名の
イベントを衒って
処せられる
コールタールの羽根の刑

ペテン師達の夏が終わり
総括の秋が忍んでくる

そんな極楽とんぼの感想は
期待はずれの空模様
サミット参加国の共通認識は
和平
参加することに意義がある協議が
延々と続けられ
さまざまな認識が再認識され
多様性の中に生きる私たちの
生き方が求められている
テレビ画面の中の怪人が
弁舌爽やかに述べるのを
解説する評論家
黙って聞き惚れるあおばの耳

顔のない
夏の喪失感が
藁を掴んで
溺れているのを
笑っている貴女は
美しい人です。






未詩・独白 溺れていく夏の Copyright あおば 2006-07-17 22:56:22
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