つたない言葉を必死に集めて君に送ったんだ
　　　　　　　　　　　　　昔見た夢の話さ

前に君が話していた御伽噺を絵に描いたんだ
　　　　　　　　　　　　　羊と狼の踊る話さ

君からの手紙は今でも大切にしまってあるよ
　　　　　　　　　　　　　捨ててねなんて言ってたけれど

君は今でも海のなかで泳いでいるのかな
　　　　　　　　　　　　　あの時もそうだったけれど

僕は今でも君の背中を捜しているのかもなんてね
　　　　　　　　　　　　　どこに居るかも分からないのに

もう忘れてしまおうなんていつも思うのだけれど
　　　　　　　　　　　　　何度も思うのだけれど

ポケットのなかの手紙はいつも同じ事を言っているから
　　　　　　　　　　　　　さようならって

君も手紙も僕の涙の中に溶けて消えたんだ
　　　　　　　　　　　　　美しい幽霊みたいに