運命の女神について。
腰抜け若鶏

私が信仰している運命の女神について。

別に彼女を敬っているわけじゃないし、他人に信じろと強要する気もない。
俺自身、こんなのは馬鹿げた妄想だと思うのだが、
それでも、そこに何かがいる気がしてしまう。

運命の女神は運命を司る女神だ。
彼女は今この地上にいる何十億もの人間の運命をも把握し、管理している。

未来や将来とはこの運命の女神が支配する聖域だ。

もしも人がこの聖域を犯そうとすれば、彼女の怒りに触れる。
具体的に言えば、未来に起こる出来事を予想すると、
必ず想定の範囲を超えた未来を押しつけられる。

もちろんこの世界には一定の法則が存在しているから、
それを読み解けば予想はできる。
例えば天気予報とか津波警報とか。

しかし、本来そこは運命の女神の聖域であって、人が犯してはならない。
運命の女神は世界の一部ではなく、むしろ世界を操ることさえできる脅威。

彼女の怒りを買えば、その運命を呪われる。
彼女の祝福を受けたいなら、未来や将来について思い巡らせてはいけない。
運命の女神に挑んではいけない。

しかし、目標がなくては人は生きていけない。
だから一つだけ持つといい。
その代わり運命の女神を敬い、相応の代償を支払うこと。
それなら怒りも買わないだろう。

うん、なんか宗教開けそうだ。トリック観たせいだな。


散文(批評随筆小説等) 運命の女神について。 Copyright 腰抜け若鶏 2006-06-13 09:33:06
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