獲得とその代償。
腰抜け若鶏
「何かを得るためには、それ相応の何かを失わなければいけない」
何かの作品のパクリとかではなくて疑いようのない事実だ。
古代人も神からの恩恵を得るために生け贄を捧げていた。
さて、最近の俺は楽をしている。
今まで血と涙の滲むような努力をして勝ち得た財産を切り崩して生活している。
何かを得るために努力などせず、ちょうど木になっている果実を掴むように欲しいものを必要なだけつまんでいる。
それは優雅な生活。
でも一日中温室にいられる今の身分が終わったら。
ふとそんな考えが頭をよぎった。
それはまずい。
人生は安息を得続けるために俺にさらなる代償を要求する。
一体いつまで支払えばいいのだろう?
この世界を生きるための家賃みたいなものか。
きっと一生払い続けるんだろう。