ある人が言っていた。
「ボーリングでもカラオケでも、
上手すぎる奴がいると場が盛り上がらないんだよ。
そういう奴は次回から呼んでもらえなくなるんだ」

「今までは周りに合わせるってことを
知らな過ぎたんだと思います」
俺は続けた。

「合わせる必要はないさ。
上手い奴は上手い奴同士、
どっか他でやればいいんだ」
ある人は笑った。

それもそうだな。
その時はそう思った。

癖の強い自分の価値を理解してくれる人間はいつも少数派だ。
だからつい、たくさんの人が集まることに憧れる。
けれど人が集まるのは平凡で月並みな妥当性の強いものばかり。
それじゃあ意味がないんだ。

好き勝手できて、たくさんの人がついてくる。
きっとそれがこの世界で最高の贅沢。
暴力なしでは実現不可能な望みだ。

幸せ実現までの道はまだ遠いらしい。