ふわり
雄太

答えを伝えきれないまま
約束は坂道を下ってゆく
薄桃色したあなたの夢は
風に吹かれて宙を舞った

遥か春はまだ風と歌って
気付かぬままに通り過ぎ
身を置いた生温い空と夜
上り坂がやけに優しくて

やがて訪れた木漏れ日と
少しだけ肌寒い縁側に猫
白い空から降る世界なら
遠い昔から未来だったか

答えは風に吹かれたまま
思い出が坂道を下ってく
想いも風に吹かれたまま
追憶と坂道を下ってゆく

薄紅色したふたりの夢が
ふわり舞い上がり落ちた


自由詩 ふわり Copyright 雄太 2006-05-21 20:11:58
notebook Home 戻る  過去 未来