おっぱい
いとう
大きいおっぱいは
肩が凝ってたいへんだと思う
かわいいブラもないし
服を選ぶのもたいへんだし
そのうえ
男たちの好奇な
視線に晒され
見詰められるたびに
何か別のものが
磨り減っていく
好きな男の子が
ちらりと視線を下げる
それだけでもう
少し醒めて
そのたびに
「私を見て」と
心の中で泣くことすら
あたりまえになってしまった
大きくなければ
もっと素敵な恋もできたんだろうか
ときどきとても苦しいのは
たぶん
ぎゅっと押さえつけているからだけじゃないと思う
未詩・独白
おっぱい
Copyright
いとう
2006-05-16 15:58:56