ビートルズが壊れた理由
umineko
BSをぼんやりみてたら、映画やってた。イマジン。ジョン・レノンの伝記みたいなもの。
半分くらい終わってたけど、それでも十分楽しめた。私が強く感じたのは、ジョンの孤独だ。アーティストの孤独。仲良しこよしでうまくやっていけるなんて、それはたぶん幻なんだ。そう思う。
それと。映画を半分しか見てなくて、しかもリアルなビートルズ世代でもない自分がいうのもおかしいけれど、やっぱり、ビートルズを壊したのはオノ・ヨーコなんだと、ほとんど確信した。リバプールの悪ガキたちに、オノ・ヨーコは理解し難いモニュメントだったのだ。
映画でも音楽でも詩でも小説でも、少しでも創作活動にたずさわったことのある人ならわかると思う。異分子が入り込んでしまえば、もうそれでおしまい。ジョンがどれだけオノ・ヨーコを理解していたのか、それさえわからない。彼自身にもわからないんじゃないか。
もちろん、彼女のおかげで人類はジョン・レノンという天才が放つ輝きを手にすることが出来た。ただ、ビートルズという財産は失われた。オノ・ヨーコがいなくても、ビートルズはガラガラと崩れていっただろう。ただ、その過程でやはり、別の輝きがあったように思う。星が生命を終える時、白く輝きを増すように。
ジョンとヨーコの指す「peace」とは、なんだったのだろう。あまりにあいまいで、とらえどころのないターム。私たちがもつ、「平和」とは少し違うニュアンスを感じる。もっとアクティブな、ざわざわと騒がしい様子。ジョンのいう「peace」と、ヨーコのいう「peace」は同じだったのだろうか。
ふたりは、その一点において、ほんとうにわかりあえていたんだろうか。
たぶんね、違うんじゃないかなあって。わかりあえてはいなかったんだ。そう思う。世の評論家たちがどんなふうにいってるのかは私は知らない。全然見当違いなのかもしれないね。でも、私にはわかる。
わかりあえてはいなかったんだ。
だから愛が。必要だった。
愛というフレーズが。