あの日、かよわさを脱ぎすてた乙女。
加藤泰清
かよわい乙女
一:「か」なり「よ」しざ「わい」い「乙女」
↓
かなり吉澤いい乙女。
ニ:「か」れた「よ」かんがするわざ「わい」の「乙女」
↓
枯れた予感がする災いの乙女。
三:た「か」かった「よ」うかん「わ」がしにうと「い乙女」
↓
高かった羊羹。和菓子に疎い乙女。
四:「か」あさん「よ」きんつうちょう「わ」たしにかしなさ「い」とせまる「乙女」
↓
「母さん、預金通帳私に貸しなさい」と迫る乙女。
五:「かよ」がた「わ」しでい「い乙」と「女」
↓
佳代がたわしでいいお勤め。
六:あ「かよ」り「わ」る「い」いろの「乙女」
↓
赤より悪い色の乙女。
七:まだ「かよわい」わい「乙女」さん
↓
まだかよ、わいわい乙女さん。
八:ほーむらん「か」っとばす「よ」ばん「わ」く「い」こころは「乙女」
↓
ホームランかっとばす四番和久井。心は乙女。
九:「か」らだ「よ」りも「わい」はこころでしょうぶや「乙女」はん
↓
体よりもわいはこころで勝負や! 乙女はん!
十:「か」あさん「よわい」はちじゅうそれでもいいはるわたしは「乙女」
↓
母さん齢八十。それでも言い張る「私は乙女」