途中下車
石原大介


奥歯に力をこめるとサイコロが
意外なほど簡単に砕けてしまった

耳と耳の咀嚼する
ねばりけのつよい青空


鼻先に広がる雑踏
その一枚むこうで
花火が音もなくたちゆらぎ
ぽこん

はじけて白く残った

ありえない途中下車から
できるだけ高い建物のあいだを今日は
縫うように歩いて帰ろう







未詩・独白 途中下車 Copyright 石原大介 2004-02-13 01:41:08
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