28Y.1・15
木立 悟






 肩の上のものたちは再び去った。世も肩も結局は自分を苦しめただけで何ももたらさなかった。目覚めは長くなったが、終わりはさらに近づいた。


 雪が空にもどるのを見て泣いた。自分にはこんな美しいものが見えることもある。だが、泣くだけで何もできない。自分にはこの光景しかないと
わかっていながらクズをつないで歩こうとする。背を向けて、目は見ているのに、背を向けて、歩こうとする。


冷たいものが、より冷たいものの前で溶けてゆく。









未詩・独白 28Y.1・15 Copyright 木立 悟 2006-04-21 23:40:29
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「吐晶」より