僕の名前は怠惰君
山本リョータ

今、目の前に
いち
にぃ
さん

ごぉ
ろく
六個の空き箱があります
煙草
セヴンスターです
それから
窮屈そうな吸い殻達の群と
何故か花札と
和英辞典と
車のナンバー型CDケースと
小学生の時から愛用しているコムサの鞄と
今更ハマったスラムダンクの再録本と
あとボウリング・フォー・コロンバインの鑑賞チケット
今新しい煙草の封を切ったので
空き箱は七つで
使用中が一つになりました

パソの前に座り込んで
鏡に写るTVを見ながら
一日中煙草を吸う毎日です

下らないと笑ったり
みっともないと軽蔑したり
よろしくないリアクションは当然です
僕自身
よろしくないと思っているから当然なのです
早くバイト探さなきゃ
探さなきゃって事は
探していないって事で
う〜ん、きっと堕落って僕のような顔をしているに決まっている
今決めました。

みなさんはどうですか?
クレヨンしんちゃん見ながら母と爆笑する僕を
やはり軽蔑されますか?
生きるとは
呼吸をするとは
その実感を得るための作業だと
僕は思うのです
僕にとってのその実感は
こうして笑っている今こそ
最高に得られてしまうのです

怠惰の中に見出す『生』も
案外マガイモノなんかじゃないと
思うのです


散文(批評随筆小説等) 僕の名前は怠惰君 Copyright 山本リョータ 2003-07-19 19:24:11
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