あなたのことよ
フユナ



冷たさが
この幸いを閉じ込める
すぐに消える雪片に
まじってもつきささる声
それは 
あなたのことよ


鍵を持つ
右の手の指がかじかんで
それでもこれを落とそうとしない
爪に落ちてる微かなつよさ
それは
あなたのことよ



みっつ数えて
なくなるようなものばかり
そう
数え唄を歌っていたの
わたしの鞠を
蹴飛ばした人
それは
あなたのことよ


     遠く
     遠く
     あなたかたも
     わたしからも
     はなれる


とがった鉛筆
削る指先
大きくないのを
気にして
開けないでいる




鞠が
弾んでいく
とおくなって
ちかくなって
上に下に
土に空に
なんどもなんども弾かれて
それでも ある
それでも ある


それは
それは
あなたのことよ






未詩・独白 あなたのことよ Copyright フユナ 2006-02-26 22:41:06
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