もしも自転車がショートケーキになってしまったら?2006
仲本いすら


もしも、あなたの自転車が朝起きたらショートケーキへと変貌を遂げていたら
あなたならどうしますか??

自転車がショートケーキになる、そんなありえない構図。
はい、想像してください。はい、イメージしてみてください。

正直言って、想像できない図になるはずです。

しかしですね、ありえたのですよ。これが。
本当、いすら自身でもびっくりしてしまってます。


1.報告


今日、2月20日での出来事。
私は学校へ行くのに、自転車を使っています。俗にいうチャリ通というヤツです。
マンションに住んでいて、集団駐輪所と言うのがあるわけです。住民だけの。
鍵もきちんとつけて、セキュリティはきっと万全。
しかし、どんだけ鍵を強くしようと今回の事件はどうにもならないモノだと思うのです。

なんとですよ、自転車のハンドル部分。主にハンドル周辺のパイプ。
その部分が生クリームでデコレーションされているのです。
塗られてるだけじゃないのです。きちんと、あの、ショートケーキについているちっちゃい山のような生クリーム。あのツンとした生クリームも、しっかりとたたずんでいるのです。
そう、あれはまるで自転車のデコレーションケーキ。
そんな、ありえない事態が起きてしまったのです。




2.検証

とりあえず私は、正直に言って混乱していました。今になってみれば証拠の写真を撮って置くべきだったと後悔しています。
しかし、ここで私が始めたことはこの生クリームの検証。
そう、この生クリームのたちかた。これは普通にお店で売っているショートケーキとなんら変わりの無い、普通においしそうなカンジなのです。
デコレーションの仕方も、本当にお上手。もしもこれが自転車じゃなければ食らいつくところです。
さて、生クリームをもっと観察してみると、わかったことがあります。
アリが一匹もたかっていません、ましてやゴミすらも。
生クリームのカタチも全然崩れてませんし、どうやらこれは深夜ではなく早朝の犯行と思われます。

次に考えること、それは誰がこんなことをしたのか。
もしかしたら、自分は誰かに恨まれているのかもしれません。
ですが、恨んでいる相手の自転車のハンドルに、こんなにも綺麗なデコレーションをするでしょうか?
恨んでいるならば、こんなに綺麗には塗らずにべったりと満遍なく塗るのではないだろうか?そう思い、この線は消えました。
次に、パティシエを目指すかわいい(ここポイント)女の子が練習のためにしかたなく私の自転車のハンドルを使った。
この線ならば、許します。しかし、しかしですよ。
練習するにしたって、なにもハンドルでやることはないのです。
サドルという、あたかもショートケーキのようなカタチをしたいいモノがあるじゃないですか。
わざわざハンドルで練習する、というのは流石にないな・・・とこの線も消しました。

次に、たんなるイタズラ。
しかし、しかしですよ。単なるイタズラでここまでのクオリティを発揮するものでしょうか?
素人目から見ても、うまいと思えるデコレーションの腕。
これは、突発的なイタズラとは思えないのです。ならば、計画的なイタズラなのか、と言うとこの線も怪しいところです。
まず、生クリームを使うこと事態よくわからないのです。イタズラでデコレーションをしますか?
普通の人間が、考えもつかないと思います。
もしかしたら私は天才と、いや鬼才と出会ってしまったのかもしれません。



3.結果

素直にティッシュでふき取り、学校へ向かいました。

誰の犯行で、どのような理由があるのかがまったくわからない今回の事件。
「そんなの、嘘だろ?」と思うのも勝手ですが、これは紛れも無い事実。

なんと私は、迷宮入りの事件と関係を持ってしまったようです。


しかし、どうすることもできずに今私はパソコンの前に立っています。




散文(批評随筆小説等) もしも自転車がショートケーキになってしまったら?2006 Copyright 仲本いすら 2006-02-20 19:41:12
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