朝日に窓枠は枯れて
唯浮

朝日に窓枠は枯れて

錆付いたカーテンからは

夜が死んだ匂いがする

炊き立ての白いご飯が

今日はもう仕方が無いんだよ

と生きる糧を与える

箸に摘めるだけの物を

夕餉のために取っておこうか

遠くで寝坊した鶏が

ばつ悪そうに提案する

一日は丸い輪っかで

それはきっとメビウス

枯れた窓枠に腰掛けて

体内時計の壊れた女が

可もなく不可も無く

幸も不幸も一定なり

と言って欠伸をする

床に散らばるロジックパズル

枕に今日の夢としようか

咳をして日常に線を引き

こんこんと昏々と

世界が起きて女は眠る

電気の輪や日常の輪

それは天使のエゴだから

女の眠りを妨げる

だから思うにだね

ご飯の湯気が一番正しい




自由詩 朝日に窓枠は枯れて Copyright 唯浮 2006-01-15 00:18:15縦
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