ホントの友達 第2話
★優輝

第1話 でポイントをいただきました。励みになりました。ありがとうございます。
この作品は10話までありますのでちょくちょく投稿していきたいとおもいます。
では第2話 ご覧ください。

★。*゜+★。*゜+★。*゜+★。*゜+★。*゜+★。*゜+★。*゜+★。*゜+
彼女に電話をしようと、電話の前にたってはみたものの、
いままで1年間もまったく話をしていなかったのにいきなり電話っていうのもなぁ。。

どうしよう。なんかきっかけをつくってしまえばこっちのもの。
昔おしえてもらった、携帯番号のメモをてにもって、迷う。

あ。いいいいわけがあるじゃん。うまくいかないかもしれないけど、
とにかく彼女の声をきくことはできる。
 電話がなる。一瞬とろうかどうかまよった。
 この1年間話すこともなかった彼の名前が携帯の画面に。
 いまさら、電話をくれても。 いま一番話しにくいひとから電話がくるなんて。

電話口では、9回もコールがなっていた。 そろそろきろうかと思った。
受話器を耳から放して おこうとした。 はぁ。
長いため息とともにあのなつかしい声が遠くからきこえた。
「もしもし?」
「あ。あや。あのさ。おれだけど。」
「あ。うん。どしたの?」
ぎこちない会話だったが、すごく俺にはうれしかった。
「あのさ、あやってA組じゃん。俺、総合学習のときにA組に、
 発表の原稿おきっぱなしにしちゃったらしくて。知らない?」
まったくのうそだった、原稿はしっかり机のうえにのっている。
こうでもしないとあやと話せなかったのだ。自分の弱さを責めた。
「え。みてないな、 どのへんだったの?席。」
「うんと。前のほうの窓側だったんだけど。。」
「誰の席だったかわかる?」
「わかんない」 ほんとはしっていた。でも本人に聞いてみれば?
といわれるのがこわくていえなかった。

それに、わざわざあやの元カレに電話をするなんてできない。

「そかぁ。先生にきいてみてあげよっか?」
「え。あいいよ。自分できくから」 あぶないあぶない。
彼女の優しさで、壊れるところだった。

きいてもいいんだろうか?
「あのさ。 あや最近どう?」  「え。なんで?」
「なんか元気なさそうだったから」  「あ、ごめんね。」
「ん?」  「優輝くんには、まだはなせないんだ。」
「そっかぁ」
「ごめん。ほんとにこんどちゃんと話すから。」
「うん。わかった。」  「じゃ。あたしそろそろ寝るよ。」
「うん。あした学校でね」  「あ。わかった。」
「あのさ。」  「ん?」
「メールでもしない?メルアド明日おしえて」
「いいよ。なんかさ、ひさしぶりだね、こうやって優輝くんと話すの」
「うん。そだね」  「じゃ。おやすみ。 原稿みつかるといいね」
「うん。 おやすみ。」   ふぅ。

やっぱり急にきいても無理か。 

  なんかさ、ひさしぶりだね、こうやって優輝くんと話すの
 こういったときの彼女の声がさみしげだった。
 おれになにか関係があるのだろうか? 俺の考えすぎだろうか
 でも、ほんとうにそうだとしたら、俺にいわなかったのもつじつまがあうんじゃないか?
 それに裕也がいったこともきになる。 あいつは彩菜とおなじ塾だった。
 おれは、違う塾だったから、裕也と彩菜がどういう関係なのかも、
 あまりくわしくはしらなかった。 でも裕也には、他の学校に彼女がいるから、
 俺が心配しているようなことはないだろう。いつか裕也がこんなことをいってたような気がする。
「健太がうぜぇのよ。 なんか俺とか彩菜の悪口いいまくったり、秘密ばらしたり・・・」
健太は俺と同じクラスで、裕也とも同じクラス。彩菜と同じ塾だった。

裕也に相談したいことも、聞きたいことも山ほどあった。
このままあやとメールしていいのだろうか?
あやが傷ついていくのではないのだろうか?
だめだ。今はこれ以上考えられない。
あやと話せたことで頭が混乱しているのかもしれない。
被害妄想をふくらませすぎているのかもしれない。
とにかく今日は寝よう。

 その夜夢を見た。
 ほんとうにそうだとしたら、あやはもう誰にも癒せないのだろうか
 目覚めた俺はそう思っていた。あやにどうたしかめたらいいんだろう。
 とにかくまだ4時だ。もう一度ねよう。

その夢がホントウのことだとは、俺も信じることはできなかった。それなのに・・・・

つづく


散文(批評随筆小説等) ホントの友達 第2話 Copyright ★優輝 2006-01-02 20:37:27
notebook Home 戻る