ホントの友達 第1話
★優輝
中学1年〜2年のころに書いた長編ですが、ここに投稿してみようとおもいます・・・。
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俺は、この15年間恋なんてしたことがない。
ヒトのために涙をながしたこともない。
さみしさを強く感じたこともない。
しかし、突然その日はやってきたらしい。
あのさみしげな横顔。美しかったが、それ以上に守ってやりたいと思った。
彼女の名は、若林彩菜。となりのクラスだった。なんの接点もなく、あまり仲がいいわけではなかった。前は仲がよかった。やさしい彼女はヒトと接することが苦手な俺とも一緒にいてくれた。その日々も長くは続かなかった。
彼女と俺の関係は、ちょっとしたと友達だった。
しかし、ちょっとした噂によって、2人の関係は引き裂かれた。
ある日、俺の友達そして、彩菜の友達でもあつヒトが、彩菜にこういっていた。
「優輝くんって、絶対彩菜のこと好きなんだよ。」
こんなところ見たくなかった。別に、仲はよかったが、好きとかそういうのはなかった。
このときからだった。俺がヒトを信じることができなくなったのは。
そして、このときから、彩菜とは離れた関係になってしまった。
その後も彩菜は元気に過ごしているようだった。
お互いに二人の間の亀裂はみないようにしていたつもりだった。
ヒトを信じれなくなった俺は、だんだんまわりから離れていってしまって。
しかし、彩菜あの横顔。なにがあったのだろう。
でも、今の俺には、彩菜に声をかけることなんてできない。
つらいのにがんばっている彩菜を思ってか、その夜枕をぬらした。
けんかをしたわけじゃないのに、どうしても話すことなんてできない。
さいごに彩菜と話してもう1年以上がたっている。
自分の弱さが憎かった。結局は、俺はダメな人間なんだ。
彩菜の表情はずっとかわらず、俺の悲しみはずっと重なる一方だった。
そんな俺の心を知ったのだろうか。田口裕也の声がした。
「あいつをすくってやれるのは、おまえしかいない。がんばれ。」
「おまえ。なにかしっているのか?」
「・・・」
「どうなんだよ。」
「おまえ、あいつに惚れただろ?」
「・・・」
「今はおしえることができない」
「・・・」
「応援しているから」
帰り道、思った。彼女に電話してみよう。
裕也がいっていたことをすぐにおしえてくれるとは思わない。
でも、でも。少しずつがんばればいいじゃん。
帰り道の足取りは軽かった。 夕日がかたむきながら、僕に微笑んでいた。