曇りのち雨時々僕
雄太

それはありふれたサヨナラだったから
僕もありがちな言葉でお涙頂戴演舞劇
そんなくたびれたスーツを脱いだなら
もうちょっとくらいは笑えたのかなぁ

通勤電車は満員だから息苦しいらしい
電信電話が音信不通で仲良しバイバイ
にっちもさっちも君は身勝手に笑って
パラソル広げてビルの屋上からダイブ

ブレーキの壊れた自転車を立ち漕げば
どっか目に見えない場所に行けるかな
君とドラマティックに雨の中のお別れ
だからどうかネクタイで首を絞めてよ

転げまわるように泣いて笑った夏の後
秋をすっ飛ばして冬が来たらだなんて
それでも相変わらず満員電車は暑いね
だからどうか爪を立てて鳴いてってば

そしてありふれたサヨナラを終えたら
ゴミ捨て場に座り込んでにゃぁぁって
ついでにくたびれたスーツを脱いだら
あとちょっとくらいは笑えたのかなぁ

脚本演出主演から何もかも全部君だね
踊り続けていた僕もそろそろ糸を切る
パラソル広げてビルの屋上からダイブ
だからどうかネクタイで首を絞めてよ

せめて最後にネクタイで首を絞めてよ


自由詩 曇りのち雨時々僕 Copyright 雄太 2005-12-20 15:58:08
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