隙間
もろ

乾燥した空気に
なんとなく
背中が痒くて今日も
着合わせには気をつかったつもり
なのに
私とドアノブの隙間にパチリ
静電気が走る

アスファルトの似合わない小道
夕顔の枯れてしまった八百屋と
店を閉めて間もない居酒屋の隙間
小さく寄り添って眠る
親猫 子猫
たんぽぽの綿毛のようで
無邪気

夕焼けに
見たいものだけ映して
ハナウタ
くるくるとまわると
ぴんくとブルーの隙間
一番星のとなり
流れ星と見間違う光で
音の届かない高度
ひこうきがどこかの国へ飛んでゆく
追いかけそうになる足
意識的に目を逸らす

冷たいベットに足を差し入れて
本を読むだけの集中力もないのに
目を閉じても
眠りにはおちていかない
夜と朝の隙間
枕の脇
小さなグラスのカクテルと
携帯電話
薄っすら光るノートパソコンの画面は
いつでも逃げ込める幻想と
朝になれば訪れる現実との
一枚の画面で仕切られた
さりげないのに
越えることのできない
親切を控えめにしたような
小さな隙間


未詩・独白 隙間 Copyright もろ 2005-12-01 09:37:54
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