A課長との無言の会話
yaka



 吹かした煙といっしょに、行っちゃうかと思いました
  
 薄くなりましたね、背中

 このビルが潤うたびに、課長さんは枯れてゆきますね

 決して幸せを期待できない結末に、突き進むのはなぜですか


 薄い背中はむしろ愉しげに


 郊外マンションのローンが終わる頃、ぼくはどこにいるだろうね

 きみの言う結末の先の、もう削る必要のない場所で

 のんびり煙草を吹かしているよ


 そう言ったように見えたのは

 もちろん気のせいでしょうけれど




自由詩 A課長との無言の会話 Copyright yaka 2005-11-09 22:48:58
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