秋星のくちづけ(先駆形)
たりぽん(大理 奔)

海鳥とひとつづきで渡ってくる
季節の淋しさが
ビルの屋上にネオンになって明滅する

幽かな星空に瞬かない真実
夕焼けが照らし続けるから
火星は赤い星なのか

もうすっかり病んでしまった
日記帳やメモも
ネオンを映して明滅し

駅前のケヤキまでも
火星の色に染め抜く



そんな
きみのくちづけ




未詩・独白 秋星のくちづけ(先駆形) Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-11-03 22:49:12
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