結界種子
こん

それでもゆく
やわらかさを固い外皮でくるみ
吹きすさぶ風に
涙などすぐに乾くだろう
ずぶずぶとはまりこむ
湿地帯のような母性など
もはや要らない
踏みしめられた乾いた父性が
一足ごとに皮膚を切り裂き
血と砂が幾たびか混じり合う
やがて足裏は棘草をふみしめても
擦り傷ひとつ負わないのだ


固い固い種になるのだ


固い外皮を持つ種だけが
荒涼とした大地に
花を咲かせるのだ





鼓舞してみる









自由詩 結界種子 Copyright こん 2004-01-09 22:50:14
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