真夜中の鬼
唯浮

初秋の真夜中には
静かな鬼がひそんでいる
カラメルの味を口一杯にして
ゆっくり天井へと吹けば
セピアのまぁるいシャボン玉
鬼は大事そうに掌にのせ
凪に向かって謡うのだ
?天国での罪を今、晴らします?
紺碧の山々を
夜霧と共に撫ぜてゆき
贖罪の波が揺れて
静かな鬼はゆっくりと
セピアのまぁるいシャボン玉
飲み込んで咽喉を鳴らす
カラメルの味、ただ哀しく…


自由詩 真夜中の鬼 Copyright 唯浮 2005-10-08 03:31:03縦
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