血脈
唯浮

白い咽喉仏を
伝うものを見ずにはいられず
愛おしければ尚の事
枝葉の若いものは
根っこの存在を感じつつ
きっと知らないのでしょう
何を養分に今在るのかを
伝って落ちたものが
今は亡きものの嫌う色で
そう、自ら色に塗れたのです
種を残せないのですよ
大木よ、倒れますか?
一枚の若葉のせいで
望み焦がれるのは
地に固まり変色したもので
あぁ、それは
夜明けの色に似ているのです


自由詩 血脈 Copyright 唯浮 2005-10-05 05:17:52縦
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