【 それなりの優しさ 】
豊嶋祐匠










お前は

俺に構わず、先に逃げろ









俺は、そう言って

住み慣れた団地の屋上から

仲の良かった

飼い猫を、投げ捨てた









彼は、この世の

苦しみを知らずに

アスファルトの海に、飛び込んで行けたんだ。

















< その優しさは、きっと別ものです >


未詩・独白 【 それなりの優しさ 】 Copyright 豊嶋祐匠 2005-10-05 03:30:53
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