或る道化師の一日
唯浮

彼の人の 通いし道を 歩く時 
    前後左右に 研ぎ澄まし五感

六感を 頼りに来ては 天秤に 
    かけては揺らす 期待と諦め

茶柱が 幾本立てども 会えぬ日は 
    粉茶をすすり 鼻をすする

薬指 見つめる先に 夢を見て 
    まどろむ夜の 一人の寂しさ

ぬばたまの 眠れぬ夜に 五七五 
    七七詠ひて 慰む我が恋

忘却を 誓ひて一人 眠る夜の 
    夢に君出で 忘れ去る忘却



短歌 或る道化師の一日 Copyright 唯浮 2005-09-22 03:53:59
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