ラピュタ阿佐ヶ谷(東京都)のレイトショーで、劇画原作のシリーズを上映している一環にこの作品があり、昨日見てきた。23日まで。
「玉割り人」とは遊郭で、娼妓になる女に性技を教える師匠のこと。この映画、ゆきという玉割り人の主人公が、あまりに美しく、いさぎよく、見ていて、おいおい、こんなに美しく描いてしまっていいのか、という疑問や、加害者として生きることへの考察などが脳裏に渦を巻いてしまい、純粋に娯楽として愉しむことができなかった。しかし、勿論、本来なら娯楽映画として徹底しているからこそ、そのように描かれているので、私のような見方は邪道にちがいない。
遊女に足抜きをそそのかした男と遊女への裁きを行なって、雪のちらつく光景を眺めながらの回想シーンに出てくる、ゆきの過去など、人間の描き方にふくらみがある。そして画面が美しい。
無政府主義者の幼馴染を持つ娼妓のたまごが、水揚げの際、処女を装う為に渡された血袋の箱を、敢えて枕元に置き放しにしておく場面など、主人公以外の人物たちの性格描写、気持ちのゆれうごきも見ていてせつなくなる。
若い男の子に、ポルノとして是非鑑賞してほしい一作。原作は劇画。牧口雄二監督。1975年/東映京都/カラー/64分。
ラピュタのHPはこちら。
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上映スケジュールはここ。
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2005/09/20 白糸雅樹