よんでいる
石川和広
なかなか
おとこのこであることがやめられない
じぶんが
ばらばらだからかな?
おとこのこの
のこりかすがもえくすぶっている
たぶん
おんなのこがもえるのとは
ちがうにおいがするはずだ
そんなきがする
おとこのこが
もえくすぶるとき
なかない
ばらばらになった
むねのにくへん
だけがなるのだ
だれもとらないべるみたいに
かのじょのまえでは
おかあさんのことおかあちゃんとよぶ
おかあさんのまえではおかあさんとよぶのに
よびなは
だいもんだいだ
よびなは
あいのかたち
かもしれないからだ
ぼくのなかのおとこのこ
と
すこしおとなのぼくが
ちいさいこえで
ぎろんしている
やっぱりおかあさんのまえでは
おかあちゃんとよべないな
おとこのこのぼくがいう
でも
かのじょのまえでは
おかあさんのこと
おかあちゃんとよぶんだ
おかあちゃんのことすきなんだろ
と
すこしおとなのぼくがいう
ひきさかれたにくへんが
ひめいをあげる
そのしたにはおかあさんがいて
どうこえをかけていいか
とまどっていると
そうぞうすると
どきどきする
かってな
そうぞうであるのか
おかあさんは
じぶんのじんせいが
おもたいのかもしれない
そうおとなのぼくは
おとこのこのぼくにいう
どこかで
ちいさいおんなのこがないている
おとこのこのぼくには
きこえる
おとなのぼくは
そんなしんぱいしなくていいよ
というが
どこかとおいこえになっている