この国で生きていくということ
逢坂桜
衆議院が解散して、総選挙となる。
日本の行く末を握る選挙らしい。
ここ最近の選挙は、投票率がとても低い。
地方でも国政でも、その低さは、冷静に考えてみれば、
たぶん、とんでもないことなんだろう。
投票率が50%以下。
参政権を持つ、半分の人の意見しか、反映されてない、ということ。
きっとみんな、自分の1票では、なにも変わらないって知ってる。
投票率が50%以下。
それはつまり、投票していない人が一致団結したら、
この国の政治を変えられる、ということ。
思うだけでなく、現実も、本当に、こんなふうに動いてる。
もしも、一致団結できたら、
それは善悪じゃなくて、私やあなたの望んでいることが、
政治に、この国の行く末に、意見を言えるということ。
だと、思う。
夢みたいなことだけれど、過去はそうやって動いてきた。
参政権は、いまでは二十歳以上の日本人なら誰でも与えられる、けれど、
ちょっと前、60年以上前は、もっとずっと少ない人しかもらえなくて、
それより前は、お金持ちしか権利はなかった。
この国の、自分の生活に関わることや、この国の行く末や、
そのほかいっぱいの決まりごと。
決める人は、この国のほんのひとにぎりの人。
それはやっぱりおかしくて、こうして、あたりまえにもらえるようになったけど。
国民がこんな夢を言う。
それが、この国で生きていくということなら、
やっぱり、さみしい。