部屋
雄太

高層マンションの最上階
は怖いから二階くらいで
見下ろした街の姿は微妙
見上げた空は狭苦しくて

賃貸マンションの低層階
が寂しいから屋上へ昇る
見下ろした街に漂う哀愁
見上げた空に何故か郷愁

ルームキーは返却します
だからココロを返してよ
返してよ返してよ返して

此処は刹那通りニ番地角
寂れた街角ボロアパート
ようこそ夢破れた場所へ

分譲マンションの出入口
に立ち尽くし見上げた空
走り抜けた非常階段の先
屋上で流した涙のその訳

その訳を、君は知らない
その訳を、君が知らない
その訳を知らないでいて

どうか、知らないでいて


自由詩 部屋 Copyright 雄太 2005-08-04 15:04:20
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