ぼくは、
みい
みんな かみさまほとけさま、って
一気にどうしてふたりもすごい人をよぶの
困ったら頼っているけど
あたしは何をしてあげれるんだろ
そう思うとお願いができなくなった
日本人のばか、あたしのばか。
ときみは言って泣いた
情緒不安定だとか
いまのはほんとうに重大なカミングアウトだとか
ふつふつとつぶやいている
ぼくは今日
学校へ行く途中にきれいな女の人を見た
女の人は道路のすみに横たわっていて
この空気の冷たいのに
ひとつも震えていなくて
でも 顔をしかめていた
寒いし痛いし悪いことばかりだしほんとうについてないな
そういう顔だった
その隣ではバイクが倒れていて
ヘルメットをかぶったおじさんと警官がけんかしていた
だんだん近くなる救急車のサイレンを聞いた
帰り道に歯医者に寄って
あのすこしずつ頭に血がたまっていく感じと
チュウィーンという音が
やっぱり眠たかった
あーん、てしてとか言われるたびに
あーん、としながら
半分だけ眠っていて
きみのゆめを見た
あーまたふつふつとつぶやいている。
きみはぼくのことを
他人ごとのようにあたしを見る、というけど
なにがちがうのかわからないんだ
きみを見ていると悲しくなったり
恋しくなったりして、それでも
ぼくはなんにもなかったように、気付けば 誰にでもわらっていて
父さん、こういうのが男だってことなのかなぁ
とくべつ真っ赤なキスマークを
きみのどこかにつけるとき
これだけは自分のためだと思った
そんなときぼくはどうしようもないほどひとりよがりで
きみにごめん、と言ってしまう