寓話 不可解な死 3
クリ

芳彦は宇宙船に吸い上げられた
一晩中生きたまま体を検査され明け方に解放された
解放される直前に流暢な地球語で告げられたのは
何も心配しなくていいことと記憶を消させてもらうということ
宇宙船での出来事をすべて忘れて帰宅した芳彦に
妻がどこへ行っていたのかとなじりよった
覚えていないと答えた芳彦の頭蓋を
この浮気者という怒声とともに
妻の持っていた鈍器が砕いた

                Kuri, Kipple : 2005.07.09


未詩・独白 寓話 不可解な死 3 Copyright クリ 2005-07-09 21:23:39
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