完熟レモン
りつ

酸っぱいだけのレモンに

灼熱にカーヴを纏いつかせる陽の火と
    溶け出したとろりと粘る濃いアカシアの蜂蜜垂らし

舌に滴り落とし
    
            規則正しさや均一的メトロノームの“ド”のしきたり
 から脱却した両手の熱さを絡めて

ジュレの琥珀が詰まった氷砂糖とあなたの横顔にGood-bye.


微睡む子守唄で眠らせて



ひとよひとよ
ふるへふるへゆらゆらとふるへ

           泪の完熟レモン 食べて





自由詩 完熟レモン Copyright りつ 2025-07-19 20:47:36
notebook Home