埋葬
そらの珊瑚
気がつけば一面の緑のなかで
途方にくれていた
どこから来て
どこへ行こうとしているのか
すでに熱を失って
剥製のように軽くなった
小鳥のむくろを
両の手に捧げている
はばたいては空にその身をゆだね
木々にとまってはちいさな虫をついばむ
恋をしたり
生き別れたり
生前の小鳥の来歴が
指の先で
展開される
ふいに
東から風が強く吹き
天へ飛ばされる麦わら帽子
草の波がうねって
道が現れる
小鳥が還るべきところへ
なにかに導かれるようにして
すすむ
自由詩
埋葬
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そらの珊瑚
2025-07-17 12:55:56
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