ゴミ捨て
sonano

煮え切らない気持ちをいくつも抱えて
仲良くなれない高層ビルの町や山々を
何度も歩いて

僕はいつ
幸せという人によって定義が違うものを
手に入れられるか
それとも誰かの定義によれば
もう持ってるのだろうか
それともいつか振り返ったとき
あの頃は持っていたと思えるのだろうか

今は確かに幸せはある
優しい人と会えたことと
今まで優しい人と会った思い出を持っていることだ

それにも関わらず探すのは贅沢でしょうか

不幸せは僕の病気と
不義理や意地悪な人々の思い出
これを何のゴミに捨てればいいか
東京都では制定がまだされてない

分別をするのも躊躇うこの思い出から
逃げて
でもまだ家にあるそれを
いつまで持つつもりなのか

なりふり構わずでいいから
捨てればいいじゃないかと
今日思い立ち
燃えるゴミの日に出した
焼却炉で影も形もなくなってほしい願いからだ

いつかもっと大きな幸せが家を訪ねてくるのを
待ちながら

今日は眠る


自由詩 ゴミ捨て Copyright sonano 2025-07-03 15:39:21
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