真実を見よ。
栗栖真理亜

硫黄の雨で洗い流される時
裸の王様は全身に火傷を負い
熱射で焼き爛れた大地に醜く肥えた体を横たえる
息絶え絶えに妄言を繰り返しながら

庶民の生き血を吸いながら大地を分断し
人々に混乱をもたらした怪物は
御使の放つ矢で倒される
悪に付き従い同じ甘い汁を啜っていた者も同様に枯葉の如き儚き運命
黄金の龍の鼻息一つで吹き飛ばされてまるで塵のように舞い上がる

まるで錬金術師がガラクタを金にかえたように
彼らは悪を偽りの正義に変えた
世界を跪かせるために
カネと権力で自由な交易を堰き止め脅しをかける

裁きは下される

それは虚偽を見抜くが如く彼らの心臓を貫き
真実の女神がこれら悪鬼を足下に置いて
我らに正しき道を指し示すだろう


自由詩 真実を見よ。 Copyright 栗栖真理亜 2025-07-01 05:24:15
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