荒野
Monk



「お前をつれていくことはできない」
とネコは言った
「お前はこの旅に耐えることはできないからだ」
と言った
「それほど過酷なのだ」

凛とした目で遠くを眺めるネコ
何かを決意したネコの目だ
ネコとはさっき初めて会ったばかりだったけど
僕はさみしい気持ちになった

「ミルクをくれよ」
とネコは言った
「過酷な旅なのだ」
と言った
「だからミルクをくれよ」

僕はミルクをあげた
ついでにネコの喉のあたりを優しくなでた
「よせよ」とネコは言ったが目を細くして
気持ちよさそうに仰向けになった



未詩・独白 荒野 Copyright Monk 2005-05-30 02:55:03
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