その本を読んでショック死した人がいるとい
うような伝説的な読み物にはそうお目にかか
るものじゃない。開高健の『オーパ!』はかな
り危なかった。腹が痛くなるほど笑い転げた。
ほんと息が出来なくて死ぬかと思うほど笑い
ながら床の上を転げ回った。ああ。六代目圓
生の落語やキートンの映画をみて死にそうに
なるほど笑った鋭敏な若い感性の時代は遠く
過ぎた。
あの時代を懐かしく思い出す。
『オーパ!』はひとつ間違うと腸捻転で死んで
いたかもしれない。しかし『家畜人ヤプー』
は若い純真な青少年には本当にやばそうだ。
あれは今の時代、マジやばい。こころにガツ
ーンと衝撃を与えて自殺者を出す......かも
しれない。んーーーなことはないか。
さて。
古古古米=家畜の飼料なんかに殺到している
人々を尻目に大変後ろめたく申し訳ないので
すがわたしは先が短いから将来設計を立てる
必要もなく無謀にも無農薬の特選こしひかり
を買って食べてます。
なんでしょうね、新聞テレビで大騒ぎして備
蓄米を買うために行列する人の群れを見なが
ら身の回りを始末して、その浮いたカネでお
いしい新米を食べるこの複雑な気持ち。
備蓄米というのは農家の皆さんが汗水垂らし
てつくったお米とは違って国民の税金で政府
が買ったものですから本来これは非常事態に
は無料で国民に放出すべきものです。それを
2000円で買わせるのは おかしい。
いいですか、国際的な米価の標準価格は現在、
5キロ400円です。ところが海外のお米を
日本に輸入すると世界一高い関税がかけられ
ます。5キロ400円の米に対しては1,705
円の税がかけられるのです。せっかく安い米
を輸入しても結局2,105円になります。それ
に輸送費や手数料などいれると2,500円より
安くは出来ないでしょう。
一方、米国の米5キロに対する関税はどれほ
どかというとわずか10円です。
驚きますよね。
米国は関税が低いから5キロの外米を410
円で輸入できるのです。日本の税率がどれほ
ど異様に高いか明らかでしょう。では日本政
府はお米農家を守るためにそのような高税率
をかけているのかというとそうでもなく、悪
政によってどんどん農家を潰しています。
食料自給率が非常に低くなっているわけです
が日本の場合他国と違って、いつでも耕作で
きる放棄農地が全国に広大な面積を占めてい
るのです。いざというときにはそこを使って
耕作すれば食料危機に耐えられるといわれて
います。
ところがその耕作放棄地を近年メガソーラが
埋め尽くしている。どういうわけか政府はい
ざというときに食料自給のための耕作もでき
なくしているのです。
なぜこんな亡国政策をするのか問い詰めてい
くと陰謀論と揶揄されるはなしになりますの
でここらでもとに戻りますが、ひとつだけ。
わたしたちの税金で買ったものを買わせて、
また政府が儲けるなんてことをなぜテレビは
批判しないのか。
2023年産の備蓄米の場合、農林水産省が集荷
業者から買い入れた価格は60キロ当たり平均
11,879円(税抜き)でした。これは1キロ当
たり約198円です。つまり5キロ1,000円で
買ってます。ならば政府は5キロ1,000円以
下で売るように指導するのが良心というもの
でしょう。
ところで小泉が先導して政府備蓄米を売った
のですが、朝から行列が出来て買った人は大
喜びという報道がありましたが、あとでこれ、
すべて政府とメディアが結託したヤラセであ
ったことがわかりました。テレビや新聞が騒
ぎ立てた、古古米を求めて「行列」する人と
いうのはどこかの組織的なエキストラだった
のです。古古古米を買う人たちはあちこちの
報道現場に常習的に群衆として顔を出してい
ることが写真判定でばれてしまった。2万も
するジャージを着ていることもわかった。
こいつら裕福なんです。こういうやつらを自
民党とメディアが飼っていてこういうときに
エキストラ出演させている。
小泉アホ進次郎を首相にするため全メディア
が協力しているのです。
https://www.youtube.com/shorts/qTVQT-LVJaA
それから「古古米は意外においしい」という
報道があふれていますが、全部ウソです。
備蓄米が全部古古米とは限りませんが、古古
米がおいしいはずがありません。臭いし、不
味いです。「ごはん」とは別物のナニか、つ
まり家畜の餌です。
カナダなどでは日本の新米ササニシキが5キ
ロ2000~3000円で売られているとい
う情報がXなどに画像とともに投稿されてい
ます。ということはこれ、カナダまでの運賃、
関税を引けば日本からは5キロ1500円~
1000円で輸出しているのです。
日本で従来通り2500円で売っても儲かる
ということです。なぜこんなことになってい
るのか。
つまり日本政府は意図的に日本人から新米を
奪い、代わって豚の餌を国際米価より5倍高
い価格で買わせようとしているのです。
こういうことを問い詰めていくと陰謀論にな
るので、そういう面白いはなしに拒絶反応を
示す金魚鉢育ちの詩のファンが多いので、こ
こでもまた深堀りは遠慮しておこうとおもい
ますが、
でも、やはりここでどうしても日本人のマゾ
ヒズムについて語らざるを得ないと思います。
小泉のような狂人の笛に踊る哀しい家畜食・
国民にオススメの危険な良書があります。
冒頭お話した『家畜人ヤプー』です。
石ノ森章太郎とか江川達也、三条友美といっ
た人たちがマンガに描いてますがマンガでも
かなりやばい。
怖くて一巻で読むのやめた漫画「家畜人ヤプ
ー」
https://www.youtube.com/shorts/ApGRnV31boE
この青年の語り口がいかにも怖かったという
感じで好きなんですけどね、どれほど怖かっ
たか何かオーラが出ている感じがします。
わたしはこれ中学ニ年のときに手にしたので
すが、思想的心情として理解したのは米占領
軍にやすやすと降参した弱腰でマゾのような
日本人への絶望と怒りが暗喩として表現され
ていると感じました。
(さっさと降参して白人の下僕になっている
おまえらそれでも日本人か。ただの家畜じゃ
ないか!)
これがまさしく今の日本人にぴったりあては
まるような気がします。とはいえ、筆者の沼
正三はあまりにも戦後日本人の欧米への従属
ぶりが腹立たしかったのでしょうか、
小説では豚の餌を食わせるどころじゃない。
ヤプー(=日本人)を「生体家具」なんても
のにしてしまう。青年が語っていたように
日本人の身体を改造して椅子、便器、ベッド
などの家具に改造するのです。
家畜食の今の日本人はほぼこれじゃないでし
ょうか。もう日本人はすでにしてニンゲンじ
ゃなくなっています。
そういえば晩年の吉本隆明があるインタビュー
に答えて「人間? 人間(human beings)
なんていまどきいるのでしょうかね」と苦笑
していました。そのときは気づかなかったの
ですがなるほど、もう人間なんていません。
人間じゃなく何かべつの生物です。それを
なんと呼ぼうか、と考えてやはり戦後すぐに
発表された『家畜人ヤプー』を思い出しました。
家畜人ですね。
もう家畜人間しか存在していません。
(つづく)