景色
若森
水が張った田んぼの中に
惑星が落っこちて
飛び散った変な液体が
口の中に入った
バカにしてるみたいな味だった
ぺっと勢いよく吐き捨てて
地面に落ちたそれは
透明で掴めない
放課後の僕は歩くクラゲ
見上げたこの空を抜けて
指で転がすお月様
流れる雲は
手の平の泡立ち
ぶちまけた絵の具セットは
色が殺した
光の苦い
滑らかな影
おいていかれた景色を
もう一度迎えに行く
自由詩
景色
Copyright
若森
2025-05-15 10:30:52