感情
薄紅

自分の感情がわからない
泣きたいのか
叫びたいのか

ワカラナイ

いつのまにか芽生えた感情は
私を
モノクロの世界から
極彩色の世界へ
運んでいった

何気ないはずの日常さえも
真新しく
初めての非日常が
懐かしく思えた

最初はそれだけでよかった
それだけでよかったのに

いつのまにか
希望は欲望となり
新鮮だったはずの心も
どすぐろい
何かに変わっていった

独り占めにしたい
他の誰よりみてほしい

そんな事を考えはじめると
ほら 地獄の釜が蓋を開ける
こぽこぽ音をたてて
まねきよせる

甘くて辛い
ほろにがいのに
くせになりそうな
そんな匂い

みんな苦しんで
でも
そこに希望があるから
釜の誘惑に負けずに
頑張っている

けれど
ほんの小さな暗がりも
永遠に続く闇に見えて
それにうち勝つ
確かな希望がみえない
私には

釜の中に
逃げてしまえば簡単な気がして
逃げればもっと苦しむのも判っていて
どうしようもない感情をもてあましては
泥沼のように
私は独り
たたずんでいる

たった一つの言葉がほしい
ただそれだけのために


未詩・独白 感情 Copyright 薄紅 2005-05-28 12:15:39
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