行間の、過ごし方
望月 ゆき

すすんでゆく先には 
行間が待っていて
いつも 立ちどまってしまう


深呼吸、する 
 ( ふかく、ふかく、吸って、
 ( ゆっくり、ゆっくり、吐いて、


ふりかえる
ふりかえっては、深読みして
ふりかえっては、泣いてみたり
する


つま先に目をやる
つま先にこつんとあたったものを、見る
つま先の対角線上の点で それを
うしろに、蹴る


空気の真ん中で
酸素と、二酸化炭素を、何度も入れかえる
わたしの小さな鼻腔と
半開きの、口


その空間が
一行であるか、二行であるか、
あるいは、
ということは、実はたいしたことではない
ようでいて、とても、重い


つま先がそこに踏み入ったとき
本当にするべきことはたったの一つなのだろうと
たったのそれだけは知りながら
本当にするべきたったの一つを見つけられないまま
呼吸だけ、やめない



そうしてわたしは
今も、行間にたちつくしている


未詩・独白 行間の、過ごし方 Copyright 望月 ゆき 2005-05-26 00:25:00
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