空はなぜ青いのか
永遠の疑問だった
太陽光線の波長の違いといっても
なぜ青いのかの答えにならない
問題の設定が悪かったのだ
永遠の疑問が空なのだ
そして
空はなぜ無限に広いのか
ひとすじに駆け昇っていく
天才たちの数式と
平凡な熟練工の手になる溶接技術のたまもの
COME～ON！
地上に邪悪があるからいつも
静かに広がる青空があると書いたら
それを読んだ国語教師はわらった
たしかにぼくは単純だ
電柱に貼られた
すべての人類が平和でありますようにという祈り
その願いを
ひたすらに信じていた
単純な低能児だった
いま
巨大な塊はその許しの扉の彼方へ
吸い込まれてゆく
一枚の短冊のように頼りなく
小さく
ひらひらしている
地上には祈りと吐息しかない
やがて暗闇がおとずれるだろう
COME～ON！
二段目のブースターが爆発した
暗黒の空が一面朱に染まり
歓声があがる
大気圏を突き抜けたのだ