行動と回想
番田
コロナを経て、何年ぶりかの海外旅行。成田空港にどうやって行くのかということすらもすっかり僕は忘れていた。それを調べて、空港に着くと、チェックインした後にあるはずだった飲食店やコンビニの場所が変わってしまっていたので、予定通りには入れなかった。目についたスタバでご飯を僕は食べさせられた。1200円した。USBで充電するコンセントが機内の席にはついていた。それを使って、スマホを充電すると、ノートPCで、僕は映画を見た。古いアメリカのドラマだった。それは見ていた気がしたが、消すのも面倒なので見ていた。回りには、フィリピン人のような姿のカップルが座っていたが、良く会話を聞くと日本語を喋っていたのでそうではないようだった。彼らは、長いつけまつげをした少し奇抜な格好をした日本人だった。何か、自由を求めていたのかもしれない。渋谷にもう、無くなった、たぶん、それを。それともただの気分だったのだろうか。そこにモニタもないシートで、誰もが暇を持て余しているように思えた。誰もが、機内販売の人が来ると何かしらのものを買った。マニラ空港に着くと、やはり通路から日本とは異なる雰囲気を感じさせられた。ワックスで磨かれた床が、高い音をソールの底から鳴らした。スマホのアプリで審査証を作るよういわれる。夜も遅いので、苦行だった。しかし、ノリでは通してくれそうもなく、1時間が費やされ、いかんせん何もベトナムのようにはそれはいかなかったのだ。とりあえずメシを、と思い、ごはん屋を、そこを出ると、探した。空港の中にまで、客引きの人が入っているようで、声をかけられる。不安を、治安に覚えつつも、アドボという料理を食う。日本円にして500円と、量の割には安くはないと、それを、吉野家を思い出させられながら食べた。ただ、肉は、ちゃんとした歯ごたえがある、肉だった。