泥棒が全て持っていってしまう不安な話に花が咲く母


そんなことあるはずないと言うほどに母の泥棒リアルさを増す


隣人もサイレンも犬も幻聴となりて王国平穏無事に


繰り返ししつこくしつこく何度でも不安な話私を食べる


病院に一体何が巣食うのか救いなどない断言する母


永遠の否定の否定に疲弊していっそ私が狂いたき朝


「素人のカウンセリングは危険です」危なかったわ〜早く教えて


後はもう神にお祈りしかないわ救いは患者の中にあるらし


恐ろしき呪いのような言葉吐き赤子のように母は泣き出す


憑き物が落ちたようだと母笑う穏やかな午後涙出るほど


おかしいよ涙全然止まらない笑って言う我驚く夫