ノート(ひとり)
木立 悟

誰にでも 好きです
好きです と言って
みなを集めてまわる詩人を見て
自分は死ぬまでひとりでいいや
と思った


誰からも 好きです
好きです と言われ
みなに囲まれている詩人を見て
自分は死んでもひとりでいいや
と思った


誰からも 好きです
好きです と言われず
みなに相手にされない詩人を見て
自分は死んでも生きてもひとりだ
と思った


誰よりも 好きです
好きです と言って
道のまんなかで微笑むひとを見て
自分は死んでもそちらへ行けない
と思った




未詩・独白 ノート(ひとり) Copyright 木立 悟 2003-11-27 23:28:15
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
ノート