あなたへの手紙
こしごえ

「私たちのそれぞれにある魂という命は、
宇宙の魂と今もつながっていると思う」
こう書き出した あなたへの手紙。
何気ない今がうれしくありがたい。
窓からの光を見つめて思い出す
たいせつな気持ちを愛用のペンでしるす
あなたへの手紙に地球は歌いながら回転をする。
月のように、欠けてから満ちる、を繰り返す 私
私はあなたへの手紙を次の通りに書く
「私は想像をする。
何気ない物事をたいせつにできるあなたを。
何気ない一瞬に感動できるあなたを。
そうして あなたのこころの美しい部分が
ますますきれいに光ると想像をする。けれど そのこころで
苦しみや悲しみの影を知っているのでしょう」
と書いたところで少し間を置くように 目をつむり私のこころを見つめる……
うんとうなずいてから目をひらいてまた
あなたへの手紙を続ける
「私は黙って思います
誰であっても自分自身が宝だと そして
あなたは私にとって宝です。なぜだろう
こころの奥には魂が住んでいます。
どうしてか さて どうしても この魂が次の通りに私に言う、
命は命の始めから一部分欠けている故に命は命を求めるのだ、と魂が言い
この魂は、悪や善というのはヒトが言うことよ、と言って
ほほ笑んでいる魂。
私には悪があるからこそ善く生きたい。
善いと思うことがまるまる善いこととは限らない。
それでも私は、命に従います それでも それでもね。
あなたはこれらを読んで何を思うでしょうか
それはあなたの思うこと。そう、あなたは思うでしょう」
こんどは愛用のペンに視点を置いて、
私はこの命に従うしかない、と重ねて思う。
更に手紙を続ける「けれどね、命は、
部分的に欠けているから、満ちることもできる。
現実は、命だけでは生きられない、と言うけれど、
私の命は言います。
あなたの魂という命へずっとありがとうさま」
と書いた
あなたへの手紙は、出さないでしまっておく


自由詩 あなたへの手紙 Copyright こしごえ 2023-03-28 15:20:46
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