猫のように
soft_machine

ネオン管に伐りまかれ
純粋にとり込まれた艀や汀
ほんとうには離れるつもりないんでしょ
こころから落ちてくゆるひらの
退屈さ
におい感じた
猫のように

丁寧にたたもうと
手荒くまるめようと
思い出すはしから幸せがこぼれる
たましいの詰め合わせを再生したら
痛ましく見えたから
抗えなかった
ばけもの共にあふれる感情
永遠をさとられ
猫のように高いとこから飛びたとうした

おさなくて吹いたあの雲に
この息は届いたろうか
届いたって
信じてきた
どうしてって枯れてゆくのが好きなんだから
たとえば命
まあたらしいのがどしてか古ぼけて見えて
可愛かった
だから届かない
きれいな筈なのに何故か醜い
駆けても
駆けても
つかめない潮ざい

猫のように歩きたかっただけなんです
そう書きのこして彼は出てった
さては跡かたもなく
欲しいものに
気づいたのかも知れない
要らないものを
見つけたのかも知れない
それとも ・・・

そこから先を考えるのはよした

といだ爪を影に
ぜんぶ伸ばして
夜の走りかたに
身をまかせたら
生きてるってことが何なのか
分からなくてもいい
わたしもいつか盗まれた野生を奪い返すだろう
その日までこの身体をおおきく育て
動く肉で遊ぶ 飽きるまで
猫のように



自由詩 猫のように Copyright soft_machine 2022-11-29 21:54:09
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