綾錦とするための朽葉
あらい

水曜日の頬肉を柔らかく仕立てるには、鉄条網も注射針もコンポストにもどこにもつながらない、
濡れ落ち葉だけが氾がる、オモチャの兵隊だけど、/畳縁より注意してみる。深夜に及ぶ偏頭痛、
モンスターの危機感は赤字のアニメーションより日の輪くぐりに傾斜し、丸くおさまっている今

夕暮れなのだけど。

TVでは、赤い小さな花が小指の先程の、やや現代病の、その合間のときに開いて、未だ入道雲は
啼いていた。
庭には鶏もいないけど、
群青色の性感帯と狭き門が、職業として強欲と同義語に置き換えた、〈無人機が、〉漂流した稲光が
なぜか、滑走路に思えた
この温かさはただの『えこひいき。』
偶然と例えば、彼が犬歯を囃したから
竜潜月という梱包のそこにあって、赤色の屋根の犬小屋の側に 咲いていたあの傷とはすれ違った
それだけで。
洗いざらしの赤い糸が縮まってしまったなら、私達の安寧とは薄汚い皮に淫された馥郁たるかおり
透明な伝書鳩がこうして簡単に大地を踏みつけている、土の下にはしんだいのちに無駄に芽吹いた
雑草が目を回す。

思い返せば幼顔はうたっていた。日常を譜面にしても罅は僅かに塞がっていって何事もない、
私のところからなにひとつ変わらない今日を、一枚一枚重ねるだけの。


自由詩 綾錦とするための朽葉 Copyright あらい 2022-11-29 21:24:15
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