「詩的な夢想」
ジム・プリマス

こんな寒い日には
古いカフェに行って
温かなアイリッシュコーヒーを飲みたいな
店で流れているのはジャズで
可愛い制服を着た
アルバイトの女の子がいて
その子が温かなアイリッシュコーヒーを
お盆に載せて運んでくる

そんな詩的な夢想をしてみた
年金暮らしの俺には実際に
そんなことをする
経済的な余裕はない

現実の俺はワードの白い画面に
向かいながら詩作をしている
煤けたハーマンの電気クラゲから
流れてくるジャズを聴きながら
ジム・ビームをラッパ飲みしている

ラッパ飲みをしているが
胃に負担をかけないように
コーラで後追いしながら
慎重に少量ずつ口に含んで
強いアルコールが
口の中に広がる
感覚を堪能している

時折、積極財政派の
まともな論者のブログを見て
財務省の官僚達や
それに乗せられている
緊縮財政派の政治家達や
御用新聞の記者達の
狂気の防衛増税論を
目の当たりにして
そのあまりのひどさに
絶句しているところだ

そのリアルの方が夢想より切実だ
何をすればいいんだろう
俺に何が出来るんだろう
それについて考えている

このようにして俺の
冬の日の午後は
進行してゆく






自由詩 「詩的な夢想」 Copyright ジム・プリマス 2022-11-29 15:27:36縦
notebook Home 戻る  過去 未来